ご挨拶

日本微生物資源学会 会長 大熊盛也

 本年4月から会長を仰せつかりました.本学会は,前身である日本微生物株保存機関連盟の発足からまもなく70年を迎える歴史と伝統があります.これまでの学会活動に貢献いただいた諸先生方と,学会員の皆様に深く感謝申し上げるとともに,今後の学会の発展のために,微力ではありますが力を尽くすことができればと考えております.

 ゲノム・オミックス解析技術に代表されるように,昨今の研究技術の進展は著しく,原核生物では新種記載の際にゲノム配列情報の決定と比較が求められるようになり,系統分類学も急速に様変わりしつつあります.また,ヒトミクロビオームや環境・生態系の微生物の研究が大規模に進められ,微生物多様性に関する理解も深まっています.我々にとって異分野の動物・植物の研究者は,動植物の生育と健全性を左右する共生微生物に大きな関心を示しています.このような状況下,新しい技術や研究の動向をとらえつつ,専門的知識や技術に基づいて多様な微生物を体系的に系統分類し,性状が明らかな分離培養微生物株を保存・維持して利用可能にすることは,新しい技術だけでは解明できない研究を支える基盤として,今後もますます重要になっていくと考えられます.本学会のめざすべき方向性のひとつはそこにあるように思われます.

 学会をめぐる諸課題は決して少なくはありませんが,学会役員や会員の皆様のご協力を仰ぎつつ対応し,本学会のステータスの向上や発展に努め,社会貢献につなげることができればと思います.ご理解とご支援をどうぞよろしくお願いいたします.